スモールビジネスにとって、ソーシャルメディアの有料広告に投資することはリスクが高いように思えるかもしれません。しかし、目標が明確で、予算を確保しており、適切なオーディエンスにリーチする場合、有料広告はオーガニックのみよりもはるかに早くブランドの認知や売上の向上につながる可能性があります。
このガイドでは、利用可能な有料広告、予想されるコスト、最初のキャンペーンの開始方法、結果の測定方法について説明します。
有料ソーシャルメディアキャンペーンの利用機会
有料ソーシャルメディアはあらゆるプラットフォームで利用でき、ユーザーエクスペリエンスとの統合性も以前と比べて強化されています。有料広告を初めて利用する場合、同時に 2 つのプラットフォームを利用できる Facebook と Instagram が最適ですが、LinkedIn、YouTube、 TikTok、Pinterest、Snapchat、Twitter などのプラットフォームでも、潜在顧客とつながるための優れた有料広告オプションが提供されています。
各プラットフォームでの広告のメリットについては多くのデータがありますが、数字の大きさだけで判断するべきではありません。どこに広告を出すかは、プラットフォームの新しさや規模ではなく、オーディエンスを基準にして選ぶ必要があります。
オーディエンスが最も長時間視聴しているのが YouTube だと分かっているのであれば、他のプラットフォームのユーザー数を気にする必要はありません。オーディエンスの目に触れる場所に広告を打てばよいのです。大手ブランドはあらゆるプラットフォームで広告を展開している印象がありますが、すべての場所に広告を出す必要はありません。大手には膨大な予算がありますが、どの企業もある程度の規模から始めています。当面の成長予測に見合った投資規模にしましょう。
予算と目標の設定
現時点までの売上実績を把握しておくと、予算に関するパラメーターの設定に役立ちます。一般的な 広告費の割合は、収益の 5~12%です。この割合は、早期の成長を目指すほど高くなります。
ここで、有料キャンペーンを実際に始める前に、以下の点を確認してください。
- ブランド認知度の向上が目標ですか? それとも直接的な売上向上が目標ですか?
- ターゲットオーディエンスは明確に定義されていますか?
- 何が効果的かを確認するのに十分なオーガニックコンテンツを作成済みですか?
目標が明確でないと、効果の測定が難しくなります。有料広告を初めて展開する際には、ある程度の根拠に基づく推測で進めることになるため、キャンペーンを開始する前に、上記の確認事項を明確にしておきましょう。とはいえ、キャンペーンを 1、2 回実施するとオーディエンスが何に反応するのかが見えてくるので、それに応じて予算と目標を調整できます。
最初のキャンペーンの開始
予算を決定したら、最初の広告キャンペーンの設定に移りましょう。わくわくするステップで す。
多くのスモールビジネスはまず Facebook と Instagram で広告を展開するので、ここでは Meta で最初のキャンペーンを設定する方法を説明します。オーディエンスが別のプラットフォームを利用している場合は、そちらで始めてください。
- オーガニックコンテンツについて検討する:特定のタイプの投稿やヒット商品がオーガニックで効果を発揮している場合は、それらの投稿に類似の広告を制作するか、ヒット商品を取り上げるようにしましょう
- Meta 広告ライブラリを活用してアイデアを得る:Meta 広告ライブラリは、Meta のプ ラットフォーム上で展開されている広告をライブラリから検索して閲覧できるようにす ることで、透明性を確保しています。Meta 広告ライブラリは、Facebook の検索バーで 「広告ライブラリ」と検索すれば簡単に見つかります。このライブラリは、広告の透明 性を確保しているだけでなく、広告を制作したことがない企業がアイデアを得るのにも 役立ちます。目に留まった広告を閲覧し、なぜそれらを気に入ったのかを分析してみま しょう。ただし、他社の広告をまねてはいけません。それは盗用です。掲載済みの広告 からインスピレーションを得るのみにとどめましょう。
- 最も販促効果がありそうなオファーと行動喚起を決定する:効果的な広告ではたいて い、割引コード、無料トライアル、リードマグネットなど、新規顧客を引き寄せるため の特別なオファーを提供しています。新規顧客にどのようなアクションを期待している かを明確にしておきましょう。特に Facebook と Instagram では、閲覧者に Web サイ トにアクセスしてもらったり、メッセージを送信してもらったりするためのキャンペー ンを設定できます。ベストプラクティスは、コピーの最後の行で、そうしたアクション を明確に求めることです。
- 説得力のあるコピーを書く:詳細を述べるのではなく、オファーや商品の特徴を強調するようにしましょう。商品の魅力を伝えたいでしょうが、閲覧者の次の行動として、 Web サイトへのアクセスなどのアクションを促す必要があります。オファーの終了日 や、オファーでの商品またはスポットの残数に関す る情報を含めましょう。ただし、脅すような方法でアクションを求めることは倫理に反します。とはいえ、速やかに注意を引くことが大事なので、時間は有効に使いましょう。
- 質の高いビジュアルを作成する:動画広告や写真広告を出す場合には、高解像度のオリジナルビジュアルとブランドカラーを使用するようにしましょう。ビジュアルにたくさんのテキストを詰め込まないように注意してください。短いフレーズを大きめに載せるのは構いません。重要なのは、閲覧者の注意を引き、次のステップへと進むよう促すこ とであるのを忘れないようにしましょう。デザインがいまひとつだったり、情報が多過ぎたりすると、閲覧者を戸惑わせてしまうだけです。
- 広告センターでキャンペーンを作成する:
- 広告センターには、Facebook ビジネスページまたは Meta Business Suite から アクセスできます。個人プロフィールからはアクセスできないため、Facebook ビジネスページを設定していない場合は、まずその設定を行ってください。
- 広告センターでは、ガイドに従ってステップごとに広告の設定を行っていきます が、まずは目的を選択します。Web サイトにアクセスしてもらう、電話をかけ てもらう、ページの「いいね!」をもらう、メッセージを送信してもらうなど、 さまざまな目的を選択できます。
- 広告センターでは、「クリエイティブをシャッフル」オプションをオンにするこ とができます。これは、広告をさまざまなバリエーションで展開し、どれが最も 効果的であったかを確認できるオプションです。複数の広告を試し、どの広 告に 最も効果があったのかを確認できたら、そのタイプの広告をより多く展開しまし ょう。「クリエイティブをシャッフル」用の広告コンテンツを追加した場合も、 オーディエンス向けにさまざまなバリエーションを作る面倒な作業は Facebook 側で処理されます。また、ストーリーズ、Messenger、Marketplace、デスクト ップニュースフィード、モバイル向けの広告も作成されます。「クリエイティブをシャッフル」を選択しなかった場合は、各広告のコピーとビジュアルを手動で アップロードします。
- 次は、広告を実際に作成するステップです。コピーを挿入し、広告キャンペーン に使用したいビジュアルをアップロードします。ここでは、複数の見出しオプシ ョンとボタンの選択肢を作成して、どの組み合わせが最も効果的かを比較するこ ともできます。横にはプレビューが表示され、「すべてのプレビューを表示」を 選択すると、「クリエイティブをシャッフル」がどのように機能するかを確認で きます。
- 次に、自社のビジネスに該当する場合は「特別な広告カテゴリ」を選択できま す。カテゴリには、「信用」、「雇用」、「住宅」、「社会問題、選挙または政治関連」があります。これらのカテゴリの広告では、広告のリーチが制限される場合があることを覚えておいてください。
- 次に、オーディエンスを選択します。「スマートオーディエンス」を選択して Meta に任せるか、特定のオーディエンスを指定することができます。
- 1 日当たりの予算を選択し、スケジュールを設定します。開始日と終了日を選択するか、広告を無期限に表示することができます。
- 広告の掲載場所を設定します。広告の掲載先として、Facebook、Instagram、 Messenger を選択できます。
- これで、広告を公開する準備ができました。ただし、すぐには掲載されません。 広告が Meta の広告ガイドラインに従っていることを確認するためのレビューが行われます。多くの場合、広告は 24 時間以内に承認され、問題がなければすぐ に掲載が開始されます。ガイドラインを満たしていない項目がある場合はフィードバックがあるので、広告を更新し、再度承認を得る必要があります。
おめでとうございます。これで、最初の広告キャンペーンが開始されます。
結果を追跡および測定する方法
キャンペーンの効果を確認する唯一の方法は、進捗状況を追跡し、結果を測定することです。 目標によっては効果の判断がやや主観的になるため、当初の目標を念頭に置いて判断しましょう。目標がブランド認知である場合は、売上よりも全体的なインプレッションを詳しく見て効果を判断します。
万全な広告予算額が存在しないのと同じように、分析指標の選択についても万能な方法はありません。Meta では、リーチ、インプレッション、エンゲージメント、結果当たりのコスト、クリック単価、リンククリック単価など、いくつかのオプションがあります。
そうした数字に圧倒されるかもしれませんが、多くの広告キャンペーンでは、まず結果当たりのコストを検討します。通常は、結果当たりのコストが最も低い広告が、さらに増やしていく べき広告ということになります。なぜなら、投資から最も大きな成果を得 られた広告であることをデータが示しているためです。
反対に、結果当たりのコストが高い広告は、費やした予算に対して利益が少ないことを意味し ます。これらを見ながら、キャンペーンを終了日まで追跡し続けたり、キャンペーンを中止したり、成果を得られない広告を削除したり、最適化された広告でキャンペーンを再開したりすることができます。なお、Meta が変更を再承認するまでには 24 時間かかります。また、最初 のキャンペーンのデータは引き継がれないということも覚えておいてください。
広告の掲載を継続したり、状況に応じて外注したりしていく中で、自社に最適な変数が分かっ てくるようになります。
ソーシャルメディアの有料広告に関するこの短期集中コースの内容を活用すれば、ビジネスの成長促進や、情報に基づいたマーケティングの意思決定によるメリットを得られるはずです。
合理的な目標と適切な予算を設定し、オーディエンスのことを理解し、広告キャンペーンを最適化することを忘れずに、最善の成果を挙げましょう。 これまでにソーシャルメディアでどのような有料キャンペーンを実施したことがありますか? その結果はどうでしたか? 投資に見合った収益は得られましたか? 下のコメント欄からお知らせください。