IT導入補助金とは?概要と対象事業者、申請方法を解説

中小企業がITツールを導入する際に役立つ制度が「IT導入補助金」です。対象となるITツールを導入する際にかかる費用に応じて補助金が受け取れるので、資金に余裕がない企業こそ利用すべき制度です。

本記事ではIT導入補助金の概要と受け取り可能額、申請方法について解説します。

※本記事は2023年4月15日現在の情報を元に執筆しています

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、中小企業および小規模事業者がITツールを導入する際に活用できる補助金のことです。IT導入補助金の対象となっているツールは事業に活用するソフトウェアやクラウドシステムがメインですが、種類によってはパソコン本体にも利用可能です。

IT化が進んでいる現代において、ビジネスを加速させるためにITシステムは必須アイテムと言えます。一方で、資金的な都合からパソコンをはじめとしたITシステムを導入する余力がない企業も多いでしょう。

IT導入補助金を活用すれば資金に余裕のない企業でも、事業に必要なITシステムを導入できるようになります。

IT導入補助金の種類

IT導入補助金は目的によって、以下の3種類があります。

  • 通常枠
  • セキュリティ対策推進枠
  • デジタル化基盤導入枠

種類によって対象となるツールや補助金額が異なるので、申請前に押さえておきましょう。

通常枠

引用:IT導入補助金について

IT導入補助金の通常枠は、他の種類よりも用途が絞り込まれておらず、補助対象となるツールが広いことが特徴です。

通常枠はA類型とB類型に分けられており、後者のほうが補助金額が高く申請条件が厳しめとなっています。明確に決められている条件が、ITツールで生産性が高まる業務工程・種別のプロセス数と、賃上げ目標の設定についてです。

必要な機器類の合計額が300万円未満の場合は、補助最大金額の150万円以内に収まり、かつ審査が比較的緩いA類型を選びましょう。

セキュリティ対策推進枠

引用:IT導入補助金について

企業のセキュリティシステムを強化することを目的に設けられた枠が、セキュリティ対策推進枠です。セキュリティ対策推進枠では、「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスの利用料を補助してもらえます。

補助上限は利用料の2年分と決められている点に、注意が必要です。

セキュリティが脆弱な状態だとハッキングなどのセキュリティリスクに遭いやすく、社会的信用の失墜に繋がりかねません。セキュリティ対策が万全ではない企業は、セキュリティ対策推進枠を活用して、企業のセキュリティシステムを万全にしておきましょう。

デジタル化基盤導入枠

引用:IT導入補助金について

「デジタル化基盤導入枠」では、企業が導入するソフトウェアの利用料の一部を補助してくれます。対象となるソフトウェアは、以下の4種類です。

  • 会計ソフト
  • 受発注ソフト
  • 決済ソフト
  • ECソフト

上記のソフトウェアに加えて、ハードウェアの購入費として最大20万円の補助を受けられることも、デジタル化基盤導入枠の特徴です。。なお、パソコンをはじめとしたハードウェアの購入費に充てられるのは、デジタル化基盤導入枠に限られます。

IT導入補助金の対象事業者

IT導入補助金の対象事業者は中小企業および小規模事業者と決められており、資本金と従業員によって定義されています。

▼中小企業

引用:事業概要|IT導入補助金2023

▼小規模事業者

引用:事業概要|IT導入補助金2023

業種および組織形態によって異なるので、該当する条件を確認しておきましょう。

IT導入補助金の申請方法

IT導入補助金の申請方法および必要な書類について、解説します。

手続きの流れ

IT導入補助金の申請から受け取りまでの流れは、以下の通りです。

  1. 制度の理解を深める
  2. IT導入支援事業者と導入するITツールを選定する
  3. gBizIDプライム」アカウントを取得する
  4. SECURITY ACTION」および「みらデジ」内の「経営チェック」を実施する
  5. 交付申請書類を作成し、提出する
  6. ITツールを発注し、契約・支払いを済ませる
  7. 証憑と事業実績報告書類を提出する
  8. 補助金交付の手続きを行う
  9. 事業実施効果報告を提出する

書類提出の期限から事業実施効果報告まで、半年ほどの期間を要します。

申請時に必要な書類

IT導入補助金の申請に必要な書類は、法人と個人事業主で異なります。

▼法人が必要な書類

  • 履歴事項全部証明書
  • 法人税納税証明書

▼個人事業主

  • 運転免許証・住民票
  • 所得税の納税証明書
  • 確定申告書

発行した書類は基本的に3ヶ月以内もしくは直近のものに限られる点には、注意が必要です。

【注意】ITツールの導入はIT導入支援事業者から

IT導入補助金を適用すれば、ソフトウェアおよびパソコンなどのハードウェアの導入にかかる費用の一部を補助してもらえます。しかし、対象ツールであっても「IT導入支援事業者」から導入しないと、適用が認められないので注意が必要です。

IT導入支援事業者については、IT導入補助金の申請を行う時点で選定し、書類に記載しなければなりません。IT導入支援事業者の一覧については、IT導入補助金公式HPにて公表しているので、選定時の参考にしてみてください。

【参考】IT導入支援事業者・ITツール検索|IT導入補助金2023




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