【特別インタビュー】レノボなひとびと―鹿島アントラーズ 有江卓さん(前編)

レノボ・ジャパンは2022年7月より、Jリーグの鹿島アントラーズとクラブパートナー契約を締結しています。そのようなご縁もあり、鹿島アントラーズ様ではレノボ製品をお使いいただいています。

今回はチームの勝利を陰から支えるテクニカルスタッフの有江卓さんに、ご自身のことやチームのこと、そしてレノボPCを使ってみてのお話を伺ってみました。


サッカーに携わる仕事でなければ意味がないと感じ、テクニカルスタッフに


©KASHIMA ANTLERS

――まずは有江さんの自己紹介をお願いします

「石川県金沢市出身で、2020年シーズンより鹿島アントラーズのテクニカルスタッフとして携わっています。子どものころからサッカーをやっており、地元の高校を卒業してからは筑波大学の蹴球部で活動していました。

プレイヤーとしては大学の時点で引退して大学院へ進学し、卒業後の1年間はアビスパ福岡のテクニカルスタッフを務めたのちにアントラーズへ来ました」

――テクニカルスタッフを目指したきっかけは何かあるのでしょうか?

「筑波大時代の顧問から勧められたことがきっかけですね。筑波大に進学した理由が、プロを目指しながらも第2の進路して考えていた教員資格を取れることでした。

実際に大学でサッカーをやっていくうちに『自分にプロは無理だ・・・』と感じたので断念。いざ教員への道を進むことを考えたときに『やっぱり自分の中からサッカーがなくなるのは嫌だ』ということに気づきました。

もっとサッカーに直接携われるところで仕事をしたいと思い、顧問の方に相談したところ『選手以外でもサッカーに携われる道はある』と教えていただき、テクニカルスタッフを目指すことを決めました」

――選手以外でサッカーに携わる仕事は他にもあると思いますが、その中でもテクニカルスタッフを選ばれた理由を教えてください

「チームの勝利に直接貢献できると感じたからですね。テクニカルスタッフは監督・選手と直接コミュニケーションを取り、自分がゲームに関わる機会が多い職業です。

実際に「有江さんがいてくれたおかげで勝てた」と選手や監督から言っていただけたときこそ、やりがいを感じられますね」

――テクニカルスタッフの具体的な業務内容を教えてください

「対戦相手のデータを集めて分析し、監督を始めスタッフとともにチーム戦略を考えることですね。他にも選手のプレイを見返して、改善点を指摘・共有することもあります」

――テクニカルスタッフとして携わる上で気を付けていることはありますか?

「選手や監督・コーチに寄り添いながら、然るべきタイミングで情報を提供することですね。テクニカルスタッフのメインの仕事は『データ集めと分析』なのですが、サッカーはデータでは表せない部分で試合が決まるものです。

実際に選手たちは自身のこれまでの成功体験から、その場で最適なプレイを選択しています。そのため選手や監督にデータだけで改善点を語ったとしても、本人に響くことはありません。

選手や監督に自分の意見をしっかり聞いてもらうために、本人のプレイの意図をしっかりと理解し、寄り添った上で適切なデータを絞り込んで提供するようにしています」

――人間同士の関わりである以上は、データ分析だけをしていればいいわけではないのですね

「あとは『自分の進言1つで選手の人生を左右する』ことも、肝に銘じています。実際に私が進言したことを選手が実行したとしても、悪手となってしまったら最悪の場合、来シーズンの契約が打ち切られることだって考えられます。

選手の人生も一緒に背負っているという重圧感も、忘れないようにしています」

2位以下はすべて同じ!鹿島アントラーズのフィロソフィー


©KASHIMA ANTLERS

――ここからは鹿島アントラーズというチームの質問をさせてください。2022年シーズンはリーグ4位と、比較的上位と言える順位でフィニッシュしたことへのご感想をお願いします

「2022年も無冠に終わってしまったことが、やはり残念です。今シーズンはいいスタートを切れて進めたのですが、監督交代や主力選手の離脱などの変化もあり、終盤に勝ち点を伸ばせなかったためにタイトルに届きませんでした。

テクニカルスタッフとしても、もっと選手や監督に対してできたことが多かったのではないかと振り返っています」

――ちなみに鹿島アントラーズはJリーグクラブの中で最多のタイトル獲得数を誇る、いわゆる「常勝軍団」と言われています。その秘訣を教えてください

「勝利がすべて。優勝以外は2位も最下位も一緒。選手や監督はもちろん、私たちクラブスタッフも同じ理念の下でチームに携わってきていることです。『勝利がすべて』の理念が浸透しているのはジーコ(※)さんの影響が大きく、『タイトルの数しか残らない』『アントラーズで働いていた、だけでは全く価値がない』と教えられてきています」

※編注:元ブラジル代表サッカー選手。1991年にアントラーズの前進である住友金属に入団し、94年までプレイ。引退後は監督として日本代表を率いた経歴もある

――やはりジーコさんの影響は大きいのですね

「はい。それだけに、アントラーズは2016年を最後に6年間も国内タイトルから離れている(※)ことに歯がゆさを感じています。実際にタイトルを経験してきた人が選手はもちろん、フロントメンバーでも年々減ってきているので、何とか立て直さななければなりません。

私たち自身のためだけでなく、応援して下さっているサポーターの方々のためにも、です。」

※編注:国際タイトルを含めると2018年に「アジアチャンピオンズリーグ」のタイトルを獲得している

――ちなみに鹿嶋という町のサッカー熱はどうでしょうか?

「かなり高いと思います。例えば私の出身地である金沢には今でこそ『ツエーゲン金沢』がありますが、私が小さかった頃はまだJリーグへ参入していなかったこともあり、地域に根付くにはもう少し時間がかかる感じです。

また、アントラーズに来る前に在籍していた福岡では、プロ野球の『ソフトバンクホークス』の影響力が大きいこともあり、サッカーの街とまではいかない感じでした。

鹿嶋では実際に町の人に会うたびに応援の言葉をかけてもらえるので、期待値はかなり高いと感じていますね」

テクニカルスタッフのレノボパソコンの使い道

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