2023年2月8日 Lenovo Tech World Japan イベントレポート

2023年2月8日に「Lenovo Tech World Japan」が開催されました。前年はコロナ禍を考慮してオンライン開催でしたが、今回は3年ぶりの有観客が実現。

本イベントでは、レノボのパートナーシップ企業様の生産性向上をお手伝いするために、製品に実際に触れられたり、取り組みが紹介されたりしていました。

今回はTech World Japanの内容や雰囲気を、写真を交えて紹介します。

Tech Worldとは?イベント概要

名称Lenovo Tech World Japan会期

2023年2月8日(水)
10:00~17:30

会場

ウェスティンホテル東京 B2F
〒153-8580 東京都目黒区三田1-4-1

主催レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社
レノボ・ジャパン合同会社
共催株式会社ナノオプト・メディア参加料金展示会・セミナーとも無料


Lenovo Tech World Japanとは、レノボのパートナーシップ企業様の生産性向上のサポートを目的に、講演会・座談会やレノボ製品に触れられるイベントです。講演会ではレノボの国外拠点の役員や、国内の有名企業のIT担当者など、国内外からさまざまなゲストが招かれています。

本イベントでは20近くの展示ブースの出展に加え、14もの講演会が実施されていました。展示ブースでは参加者の方の生産性向上に向けて、レノボのさまざまな製品やソリューションに触れていただく機会を設けています。

また、講演会では私たちの身近な働き方の問題から環境問題、そして近年話題のメタバースなど幅広いテーマでゲストスピーカーの皆さまよりお話いただきました。

基調講演|2050年に向けて~変化する世界に、よりスマートなテクノロジーの力を

本イベント最初の講演は「2050年に向けて~変化する世界に、よりスマートなテクノロジーの力を」をテーマに、3部に分けて展開されました。

テーマ講演者2050年に向けて~変化する世界に、よりスマートなテクノロジーの力を・レノボ・ジャパン 代表取締役社長 檜山太郎
・Lenovo Infrastructure Solutions Group スコット・ティーズトヨタ自動車が進める全社員参加型のデジタル化トヨタ自動車株式会社 情報システム本部 DX開発推進部部長 野村俊一氏【パネルディスカッション】グリーンIT、その理想と現実、そして挑戦・東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授 /デジタル庁 シニア・エキスパート 江崎 浩 氏
・レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(同) 代表取締役社長 ジョン・ロボトム
・レノボ・ジャパン(同) 執行役員副社長 安田 稔


まず第一部ではレノボ・ジャパン 檜山代表より、レノボの今後の方向性についてお話いただきました。いつでもどこでも、連携しながら仕事ができる環境作りが進んでいる現代。弊社でもパソコンなどの端末だけでなくサーバー、ネットワーク、クラウドなど、すべてをレノボ製品で提供するためにどうやっていくかを課題として掲げられています。

また、Lenovo Infrastructure Solutions Group ティーズからは、環境問題の観点からIT機器の課題を解説していただきました。IT機器を使う上で必ず発生するのが、温室効果ガスの二酸化炭素。二酸化炭素の排出量を減らすために、レノボが実用化しているサーバーの液体冷却システム「ネプチューン」を中心に、環境問題に配慮したサービスの提供方法について、解説していただきました。

続いての第二部では、トヨタ自動車の野村氏より社内のデジタル化に向けた取り組みについてのご講演をいただきました。従業員数は連結まで含めると7万人超の規模を誇るトヨタ社。2021年より取り組みを開始した「みんなのデジタル化」を進めるうえで大切なのは「いつまでもIT部門から提供されるだけとは思わない」「現場に寄り添うことが大切」とのことです。

第三部では東京大学の教授でありデジタル庁にも所属する江崎氏をお招きして、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズのロボトム代表とのレノボ・ジャパンの安田副社長を交えて、パネルディスカッションを実施しました。テーマは「グリーンITの理想と現実」について。

企業の生産性向上のためにDX化は避けて通れません。その一方で、DX化に伴いIT機器からの二酸化炭素の排出量増加が大きな課題として立ちふさがっています。江崎氏からは「デジタルを環境に貢献する方法を模索しなければならない」と提言していただきました。

ちなみにレノボの環境に配慮した取り組みとして、二酸化炭素の排出量を減らすテクノロジーの開発と、環境負荷の少ない梱包・輸送システムの構築を実現しています。「テクノロジーの力でSDGsを加速させ、ノウハウも皆さんと共有したい」最後に安田副社長より、レノボの熱い想いを語っていただいて、基調講演は終幕となりました。

ブレイクアウトセッション


午後からは「ブレイクアウトセッション」と言うことで、合計12の講座が開かれました。今回私が聴講した講座は、以下の4つ。

セッション名スピーカーカーボンニュートラルの実現に向けて、ITをもっとサスティナブルに!レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(同)ソリューション推進本部 本部長 早川 哲郎 多様化する働き方の壁を溶かす!会議室のこれからの姿レノボ・ジャパン(同)製品企画部 マネージャー 元嶋 亮太 This is ThinkPad・レノボ・ジャパン(同)大和研究所 
第一先進ノートブック開発 マネージャー 渡邉 大輔 
・レノボ・ジャパン(同)大和研究所 
機構技術 潮田 達也 
今から備える!Windows10サポート終了 マイクロソフトとLenovoの担当者が語り尽くす、2025年までの旅路

・レノボ・ジャパン(同) 製品企画部 マネージャー 元嶋 亮太 
・日本マイクロソフト(株) デバイスパートナーソリューション事業本部 マーケティング本部 Commercial Windows戦略部長 仲西 和彦 氏


ここからは、講座の内容の一部を紹介させていただきます。

①カーボンニュートラルの実現に向けて、ITをもっとサスティナブルに!


「カーボンニュートラルの実現に向けて、ITをもっとサスティナブルに!」ではレノボ・エンタープライズ・ソリューションズの早川より、IT社会でカーボンニュートラルを実現する方法をお話いただきました。IT化によりIT機器の利用料は年々増加している一方で、電力消費量が増大していることが問題視されています。2025年にはIT関連機器の電力消費量は国内の電力の20%を占めると言われています。

カーボンニュートラルを実現する方法として早川が提唱したことは、以下の2つです。

  1. 新しいテクノロジーを使う
  2. 冷却テクノロジーの活用

テクノロジーの革新により1ワット当たりの性能が向上しているため、最新機器ほど省エネルギーで済むといいます。

また、電力消費量を抑えるためにレノボが力を入れている技術の1つが、冷却テクノロジーとのことです。パソコンをはじめとしたIT機器は使用するほど熱を帯び、パフォーマンスを維持するためにはファンで冷却しなければなりません。特に、サーバーともなれば数多くのファンが搭載されており、データセンターの場合は冷却するためだけに+40%の電力を要すると言われています。

レノボでは機器の冷却に生じる電力を抑えるために、水冷式のテクノロジー「ネプチューン」を実用化しています。実際に当イベントの展示ブースでは、実際にパートナーシップ企業様へ導入されているという水冷式サーバーが展示されていました。

水冷式サーバーを導入することで、運用台数が290台の場合で年間1,550万円もの電気代の削減が見込めるとのこと。さらに水冷式のメリットは、吸収した熱エネルギーを他の用途に再利用できることが挙げられます。

サーバー内を循環した水は最終的に50~55℃の温水になって排出され、温水プールやオフィスエアコンなどの用途で再利用が可能です。

水冷式の冷却システムは1つの事例としてあるものの、私たちが導入するのは現実的ではありません。しかし、IT機器が電気を大量に消費しているという現実からは、目を背けてはいけません。

カーボンニュートラルを実現するために、まず私たちはエネルギー消費量が少ない機器を選ぶことが大切だと、考えさせられました。

② 多様化する働き方の壁を溶かす!会議室のこれからの姿


「多様化する働き方の壁を溶かす!会議室のこれからの姿」の講演ではレノボ・ジャパンの元嶋より、これからの会議の在り方について、お話をいただきました。2020年のコロナ禍により、リモートワークを余儀なくされた方は非常に多いのではないでしょうか。2023年現在は出社とリモートワークを併用した「ハイブリッドワーク」も、現代の働き方の1つとなりました。

場所を選ばずに働けるようになったことで、会議の形も大きく変わりました。実際にリモートワークの利用経験について当社が調べてみたところ、2017年時点では25%だったのに対し、2022年ではほぼ100%になったとのこと。

あらゆる場所で働く従業員と場を共有し、円滑にコミュニケーションが取れるおすすめのシステムが「オンライン会議ソリューション」です。レノボ製品の「Think Smart」では円滑に会議を進められるように、タッチスクリーンと組み合わせたホワイトボード機能を搭載しています。

対面さながらのディスカッションもできるようになるので、上手く活用すれば生産性向上に繋がるのではないでしょうか。

③ This is ThinkPad


「Thin is ThinkPad」ではレノボ・ジャパン 大和研究所より渡辺氏と潮田氏が登壇し、ThinkPadのコアバリューについてご説明いたしました。2022年に30周年を迎え、累計出荷台数は2億台を突破したThinkPad。

日本のみならず世界中に数多くのユーザーにお使いいただけている理由に、コアバリューが明確だからではないかと語られていました。ちなみに、ThinkPadのコアバリューは大きく以下の3つです。

  1. 生産性向上のために計算しつくされた機能とデザイン
  2. 場所を問わない働きかあ実現のために堅牢性と信頼性のこだわり
  3. テクノロジーの力で働く環境を新たな次元へ

「生産性向上のための機能とデザイン」の部分で例に挙げられていたのが、2022年に発表されたばかりの「Z13」です。

Z13はユーザビリティにこだわり抜くために、エッジtoエッジのフルサイズキーボードを搭載。さらに片手でもパソコンを空けられるように、画面とキーボードパネルを繋ぐ蝶番のトルク調整にもこだわり抜いたのだそうです。

他にも当記事では書ききれないくらい、ThinkPadには製作部が徹底的にこだわり抜いた設計がされています。私も普段からThinkPadを活用しているだけに「この技術ってそういうことか」と思いながら、聞かせていただきました。

④ 今から備える!Windows10サポート終了 マイクロソフトとLenovoの担当者が語り尽くす、2025年までの旅路


「今から備える!Windows10サポート終了 マイクロソフトとLenovoの担当者が語り尽くす、2025年までの旅路」の講演では、マイクロソフト社の仲西氏をお招きして、レノボ・ジャパンの元嶋氏とWindows10のサポート終了までにやるべきことをお話しいただきました。

ご存じの方も多いかと思いますが、Windows10は2025年10月をもってサポート終了となります。その一方で「アップデートしないと何か問題があるの?」「Windows11にアップデートする時間が取れない・・・」と感じている人が多いことに、危機感を持っていたようでした。

まず、Windows11へ移行しない一番のリスクとして上げていただいたのが、セキュリティ問題です。コロナ禍によって私たちは場所を選ばずに働けるようになりました。その一方で、サイバー攻撃の種類はコロナ禍以前よりもランサムウェアによる被害の増加傾向が見られたそうです。

Windows11へアップデートしなければ、安全なハイブリットワークができないと言っても過言ではありません。

また、Windows10サポート終了にあたって仲西氏が他に懸念していることに、パソコンと情報システム担当者の不足を挙げていました。過去にWindows7から8へ移行するときに起こったことが、サポート終了ギリギリになってアップデート作業やパソコン買い替えが行われたこと。

Windows10でも同じようなことが起こり、セキュリティが脆弱なままで仕事をせざるを得ない状況に陥るのではないか、とのことです。IT機器を安全かつ安心して利用するために、前もって最新型OSへアップデートしなければならないと、気づかせてくれた講演でした。

展示会

午前中の基調講演が終わってからイベント終了まで、あらゆるレノボ製品を展示した19もの展示ブースが出展されていました。出展されていた製品・サービスの一例は、以下の通りです。

お昼休憩と講演後の時間を使って私もいくつか閲覧させていただいたのですが、どれも魅力的なブースばかりでした。その中でも私の中で特に印象的だったのが、AR・VRの「ThinkReality」。

実際に製造現場などで導入されており、遠隔で操作指示などを出せることで生産性向上に繋げられるとのことです。また、ThinkRealityをパソコンに接続すれば、ゴーグルをかけるだけでマルチスクリーンで仕事ができてしまいます。

モニターなしでマルチスクリーンが実現できるので、場所を取ることなく生産性を上げて仕事ができる点に、魅力を感じました。

他にも本記事では紹介しきれなかったくらい、さまざまなレノボ製品やサービスに触れられることが、Tech Worldにおける展示ブースの特徴です。

まとめ


1日かけて行われたTech Worldでは、当社が製品・サービスを提供する上での想いをパートナーシップ企業様へ伝えられる場になったと感じています。

レノボの社是である「Lenovo Smart Technology」は、スマートなテクノロジーを通してすべての人に撮ってより良い世界を創出することを目的として掲げているとのことです。レノボが今後、どのようなスマートなテクノロジーを私たちに提供してくれるのか、期待感を持たせてくれる1日となりました。