レノボなひとびと Vol.1 TANOTECH様【前編】

センサーを利用した、楽しみながら遊べる自立支援システムであり、福祉・介護・教育現場向けのゲーミフィケーションテクノロジーとして注目を集めている「TANO」。

福祉の世界に新たなリハビリテーションの概念を提案しているTANOTECH株式会社の代表取締役三田村勉さんは、熱烈なLenovoファンであり、まさに「Lenovoな人々」である経営者/エンジニアでもあります。そんな三田村さんに、ご自身とパソコンのかかわりや、Lenovo製品の魅力について、お話を伺いました。

【会社情報】
TANOTECH株式会社
代表取締役:三田村 勉
主な事業内容:TANOの開発・国内外代理店
所在地:神奈川県平塚市宮の前1-4 パーレン平塚ビル5F
ホームページ:https://tanotech.jp/
お問い合わせメールアドレス:info@tanotech.jp
電話:0463-73-5490


小学生の頃からパソコン少年だった

――そもそも、幼少期にコンピュータに触れるようになったきっかけからお教えください。

「もともと僕は小さい頃からパソコンに触れられる環境だったんです。当時はマイコン雑誌がブームの時代で、僕はそうした雑誌にちょっとしたゲームのプログラムを投稿している小学生でした。当時は、富士通さんのFM-7とか、NECのPC-6001の時代ですね」

――懐かしい! 当時プログラムを投稿できる雑誌というと、『マイコンBASICマガジン(ベーマガ)』などですよね。

「そうですね(笑)。他には『Oh! FM』なんかにも投稿して、原稿料をもらってましたね」

――小学生の頃からですか?

「そうなんです。僕は横須賀生まれで、当時家に防衛大学に通っている大学生が居候をしていたんですよ。そのお兄さんがFM-8を持っていて、そういうコンピュータ雑誌の広告を全部切り抜いて保存していたんですよね。それを見てたら、『ショートプログラムを投稿してくれたら、原稿料を差し上げます』という記事があったんです」

――小学生からプログラミングに興味を持っていたとは、早熟ですね。ちなみにそのプログラムは、「BASIC」で書かれたのでしょうか?

「ええ、それで小学生で小遣いを自分で稼ぐことに可能性を感じたんです。もちろんそれまでゲームのプログラムなんて組んだことないわけですけど、とても興味があったんでしょうね。そこで、まず何を作ろうか、とアイディアを考えるところから始まったんです。当時、アニメの『マジンガーZ』が好きだったので、まずは小型戦闘機がマジンガーZの頭部にドッキングするゲームを作ったんです。もちろん小学生ですから、プログラミング言語はもちろん、英語ですらさっぱりわからないなか、一生懸命やりました。でも、それが雑誌に載るわけですよ。感激でしたね」

――いままさに介護の世界で応用されるゲームを作られているわけですから、ある意味で当時から一貫されていますね。

「いまは介護や教育の領域でゲーミフィケーションをやっていて、当時とはまったくレベルが違いますけど、ゲームを作るという点では通じるものがあるのかもしれません」

――ほかに幼少期の頃の経験でいうと、どんなものが記憶に残っていますか。

「小学生の頃は4、5回、神奈川県内で引っ越したあと、最後に平塚市に来たんです。そこで早く友達を作ろうと思って、演劇クラブに入ったんですね。そのクラブの慰問公演で、老人ホームに行ったんです。そうすると、僕たちの芝居を見て、皆さん泣いて喜ぶわけですよ。僕の実家は僧侶の家系だったので、『利他の精神』とか『人のため』に、ということを小さい頃からすごく教わっていたんです。だから、小学校の頃の夢は舞台俳優か、ゲームのプログラマー。実際、演劇クラブに所属しながらパソコン同好会にも入り、そこで雑誌にプログラムを投稿して……という毎日でした」

――俳優からプログラマーまで。振り幅の大きい子ども時代ですね。

「26歳の頃、まさにパソコンブームの時代になって。雑誌のアンケートをタイピングで入力するアルバイトをやっていた時に、『三田村くんはスキルがあるのに、もったいないよ』って、そこで知り合った人に言われましてね。当時から、プログラミングの技術を学ぶことはまったく苦じゃなかった。その後に鉄道の会社に入ったら、すぐに鉄道のシミュレーター開発の担当に回されました。いきなり5本のプロジェクトを任されたんです」

――入社してすぐに鉄道のシミュレーター開発とは、いきなりビッグプロジェクトを任されましたね。

「そこでは、新幹線や電車の車掌さんが教材として使うトレーニング用のシミュレーターを開発していました。もともとゲームをずっと作ってきたのもあって、作業そのものはそんなに難しくなかったんです。プログラミングは独学で勉強してきましたから、仕様書なんてまったくないまま、イチから自分で作ってきたんです。僕はそもそも、数学と英語が苦手なんですよ(笑)。それと、鉄道会社の案件だと、普通に仕様書があるんですよね。仕様書に鉄道業界の用語がバンバン入ってくるので、そこも難しかったですよね」

――その後、鉄道会社を辞めて、現在の会社を立ち上げられるまでの歩みについて教えてください。

「結婚して子どももできて、鉄道会社の仕事を受けながら、フリーランスになったんです。けれど、母が認知症になってしまったことで、2012年に平塚に生活拠点を移し、会社を設立したんです。久々に戻ってきた平塚の街で、気づいたことがあって。それは、以前よりも介護用のデイサービスの車を本当によく見かけるようになったなあと。かつてはそれほど見かけなかったデイサービスの車がすごく増えたのを見て、とても驚きました。そこで、40歳にして認知症や介護について学び始めた。地域事業として、もっと福祉関係のシステム開発をやるべきだと感じたんです」

車椅子の人も一緒に遊べるようなものを

――最初はどのようなものを作られたのでしょうか。

「“遊びながら学ぶ”ことが大事なのだと、それまでの経験則で理解していました。双方向のゲーミフィケーションと呼ばれるものですよね。たとえば、介護施設でやるレクリエーションなんて、まさにそうです。テレビやコンポ、ブルーレイやスピ―カーなど、いろいろな機材があって、とにかくリモコンだらけ。そんな状況を見て、コンピューターだったらそれをいっぺんに解決できるんじゃないかと思いました。大勢が一緒に遊べるもの、車椅子の人も一緒に遊べるようなものは何か。とにかく健常者とハンディのある方の境界を失くしたいという思いでやっているうちに、いろいろなものが見えてきたんです」

――そのあたりからモーションセンサーを利用した福祉・介護・教育現場向けのゲーミフィケーションテクノロジー「TANO」の開発に至ります。そもそも「TANO」のネーミングの由来は?

「『たのしい』という言葉からとって、『TANO』です。要介護になって笑顔が失われてきてしまった人に、笑顔のリハビリぐらいの気持ちで楽しい気持ちになってほしい、ラクな気持ちでスタッフの方にも使ってほしいという気持ちでつけたんです。けれど、『TANO』の事業だけはずっと赤字でした。そこで、途中から海外進出にも注力するようにしたんです。すると、海外、韓国、中国、香港、マレーシアで大きな反響がたくさんありましたね」

――海外で反響を得た、その要因をどうお考えですか。

「たぶん、介護用の製品でありながら、ゲームであるところでしょうね。シンプルな面白さって、万国共通のものなんです。特に認知症の方は、シンプルなゲームでないと遊べない。シンプルかつバーチャル空間で楽しめるものを、多くの人にパソコンで再現して楽しんでもらいたい、そんな思いが伝わったんだと思います」

――ユーザーからの実際の反響はいかがでしたか?

「現場では、高齢者の方がすごく喜んでくれます。普段はレクリエーションで黙々とぬり絵をやっていたお爺さんが、“こういうことがなかなか出来なかった”と嬉しそうに話してくれるんですね。みんなでできるゲームがあると会話が生まれますし、施設の中そのものが楽しい空間になっていくんです」

――実際に「TANO」を体験させて頂きましたが、大人でもすぐに熱中してしまう「のめり込み要素」や、シンプルさにこだわって制作されているように感じます。さらにゲームの種類の豊富さにも驚きました。

「面白いことに、『TANO』を子どもたちと実際にプレイすると、多くの子どもが『自分も人のためにゲームを作りたい』と言って、プログラミングを学ぶことに興味を示してくれるんです。『あの友だちのためにこんなゲームを作りたい』、『おじいちゃん、おばあちゃんと一緒にやるためにこんなゲームにしたい』、そんな発想が出てくる。彼らが望むなら、僕はどこへ行ってでも教えてあげたい。結局、人生は誰のために何をするかが大事だと思っているんです。だから、僕ができることならいろいろなことを伝えていきたいですね」

――これまでの知見や技術をどんどん伝えていきたいと。

「僕自身、残り時間はあとわずかという意識で動いているだけです。その思いもあって、『TANO』の事業以外でも、最近はいろいろな施設向けにPCの寄贈を行っています。先日もLenovoさんにご協力を頂いて、就労支援施設向けと小児病院向けにPCの寄贈を行いましたが、それもすごく必要性を感じてやっていることです」

Lenovoはとにかく壊れにくい

――ここからは三田村さんのPC遍歴についてお聞かせください。

「ここだけの話、僕は最初、他のメーカーさんのファンだったんです(笑)。でも、さまざまなPCを試していくなかで、特にLenovo製品に故障やトラブルが少なかったんです。逆に他のメーカーのものだと、購入して2年経ってから、つまり保証期間が終わったあたりの時期にタッチパネルが動かなくなったりして(笑)。それに対してLenovoは、とにかく壊れにくいというのが大きいですね」

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Comments

  • Offline in reply to

    TANOTECH様にはここ数年LenovoPROをご利用いただいています。今回お話を伺いまして、本当にうれしかったです!ぜひ、お仕事依頼がありましたらTANOTECH様をご紹介させていただきますので、お気軽にご連絡ください!

  • 新連載楽しみにしていますSparkles